風俗嬢になりました。3。
この季節は寒いですね。今家族に猫ちゃんが居るのですが、寒いと膝の上に乗ってきてくれるのが、すごい可愛い。冬限定の甘え。
前回から、続きますね。
退院してからはしばらく家に引きこもりました。ベットの上でずっと過していました。
何もしたくなかったので、しなかった。なにか何かしたいと思うことも無かった。あっても多分、出来なかった。
ご飯は何も味がしなくて、不味くて食べれない。砂利みたい。水を飲むのも疲れる。お風呂も入りたくない。トイレに行くのでやっと動く。
どのくらいこの状況だったのかイマイチ覚えていない。
妹は週に何回かくらい、ベットの横に来て話をしてくれた、このゲームが楽しいよとか、この塗り絵好きそうだねとか、そんなことを話したような気がする。複雑だった。
「お前も苦しめたんだよ私を」って心では思っていても、妹だし、妹も辛かったんだろうなとか、わかるし。憎い気持ちと、それでも嫌いにはなれない気持ちがグチャグチャ。
こんな姉ちゃんでごめんなさいと思っていた。
結果的に半年ほどニートをしたのだけど、2ヶ月か3ヶ月たった頃に専門学校の時のクラスメイトから電話が来た。
「オープンキャンパスの準備ってどうしたらいいの?私達なんもわかんなくて。何も言わずに辞められて困る。」そんな内容だった。
え?
え?
耳を疑った。心配されるかもなんて、思ってたのが馬鹿らしい。
私は、辞めたんだよ、学校。今私は部外者だぞ。というか、そんなこと。今までの見てたら分かるだろう、あっそっか。お前ら手伝ったこと無かったから、わかんないんだよね。自分で考えられないの?なにしてるの?
なんて文句も言いたかったけど、そんなことも言えなくて。先輩か先生に聞いたらわかるよ、と一言いうと、「聞にくいから聞いてるのに〜。」とまた文句。
私ができる反撃は電話を切ることだけだった。
何も出来なくて悔しくて、涙ももう出ない。
でも次の日、そのおかげで外に出ることが出来た。携帯番号を変えるため。何もかも変えるため。
と、いきなりの外出は無理だった。
ベランダに出るのが精一杯。というより、直ぐに疲れる。立つだけでも目眩がする。
こんなに外に出るのが億劫なのか。
それだけじゃなかった。人の目線も怖い。何か見られている気がする。ベランダに出ているだけなのに、私にだけ注目されているような。
向かいのマンションのみんなも見ているような。
コンビニでサンドイッチでも買って、公園で食べる。
これだけの文だと爽やかな公園でOLが優雅にランチタイムをしているようだけれど。当時の私は苦行だった。
外にでる練習だと、頑張ったがキツかった。
外に出た次の日はまた引きこもらないと、そんな元気も無かった。
何回か繰り返して外出は出来るようになった。ご飯も食べれるようになって、体力もん戻ってきた。
しかし、外出すると視線が怖い。すれ違う人、レジの人、運転している人。生きてることを否定されてるようで。なんで死ななかったの?ゴミ。消えろ。死ね。そんな事を言われてるように思ったし、実際に言われていると思い込んでいた。
自分はおかしくない。何も、してない。学生でもないし、もうニートだ。だからこんなこと言われるのか。外に出れたんだから仕事はできる。
専門学生時代、趣味で作っていたアクセサリーを委託販売をしていたセレクトショップに連絡して、アルバイトとして働けることになった。
“こう”なってしまった事情を話したら、お店の奥のスペースでアクセサリーを作ってもいいし、調子がいい時は接客もしたらいい。小さなお店で、忙しい時もあまりないから、ゆっくり自分のペースで働いていい。と言ってくれた。
元々は店長兼オーナー(男性)が1人で回せるくらいのお店だったのに、快く雇ってくれた。
1ヶ月も経っていなかった、多分2週間くらい。ネット販売用の洋服を着用して写真をアップしなければならなくて、モデルを頼まれた。
カメラマンは店長。
何も考えず二つ返事で引き受けた。
最初は普通だった。しかし、この服を着て、と渡されていく服が段々と露出の激しい服になっていった。すごく胸元が開いたピタッとしたTシャツ、ホットパンツ、チューブトップ。
個性的で派手なアーバンギャルドなお店なのでそういう服も売っているのは知っていた。
これも、なんですね。こんな私を雇ってくれてるんだからと、負い目を感じて服を着た。
「あ、この服は乳首がたっていた方がいい」
すごく真剣な顔をして放った言葉。
え。
どういうこと、、、?
撮影にこだわりがあるのか、そういうコンセプトの服なのか、前々から知っている方だし、そんなことする人じゃない。
そんなことなかった。
ブラの線が浮くからということでヌーブラを着用して撮影していたのだか、突然近寄りヌーブラをひっぺがされた。
そして、直に乳首を触られた。
あまりの驚きは私は何も動けなかったし、声も出なかった。気をつけの姿勢のまま、固まっていた。
ハッとして、「あの、やめてくださいよ〜さすがに、、、」とヘラっと笑って言うのとしか出来なかった。この時の声は震えて、涙も出そうだった。
「ああ、ごめんね〜」と店長はすぐ触るのを辞めてくれた。たくさん撮れたから今日は終わりにしようか。と言うと、人目がいない所がなんとなく嫌で、接客をしにいった。
次の日から仕事場に行くのを辞めた。
確かに怖かった。
男の人に、女の私では力では100%勝てないのだから。
しかし怖い以上に、あとから思うほど、冷静だった。「携帯は持っていたし、録音しとけば。」「録音したら社会的に潰せるのかな」「犯された証拠があったら、この人はどうなるの?」
今思えば、セクハラ紛いなことはされてたような気がする。どこからがセクハラで、どこまでが楽しい会話なのか。難しい。
私はヌード写真集やグラビア、AV(アダルトビデオ)、を芸術的だと思って見てしまう。
AVに至っては、ポップコーンなどスナックを片手に映画を見るようにみてしまう。美しいなと思う。
「君はベッドの上ではSなの?Mなの?」「太ももエロいよね〜」「身体で1番感じるのはどこ?」
そんな質問も、精神論な話で、エロいと思ったこともなく。エロいも褒め言葉だと思っていた。(私も私でおかしい。)
そしてこんな考えに至った。
「あれ?」
「私、普通に風俗で働けば、良いのでは?」
風俗は水商売の次に、人間ができる最高の接客業だと思っていて(個人的な意見です。)
そんな突然関係のない、アパレルのお店で襲われかけても対応できるくらいなら、最初からそんなことが出来るお店なら、こちらも100パーセントの力で接客できるじゃないか。
そうして、風俗の世界へと、足を踏み入れたのです。
風俗の世界へとは、自らの意思です。
よくある、お金が無くて。学費のために。貯金のために。
そんなことは無くて。私に向いていそうだから、する。それだけの理由で風俗をはじめました。